多くの子供たちが疑問に思ってることを選んで回答したので、
是非お子さんに聞かせてあげてください。
毒ってこわいですよね。でも、毒はいろいろな生きもののグループで進化してきたもので、毒の強さや効き目というのはさまざまです。
たとえば植物だって、葉っぱを食べられたくはありません。でも、逃げることができないので、葉っぱを硬くしたり、苦くしたりして、食べにくくしています。そうした防御手段のひとつとして、毒を持つ植物は進化してきたのでしょう。
こうした、食べられたときに毒となる成分を持つものは、動物にもいます。たとえば、フグやカエルがそうですね。かれらは、ほかの生きものを食べて、その体にふくまれる毒を、自分の体にためることができるようになりました。また、ヘビやクモのように、毒を使って獲物を素早く殺したり、消化を早めたりするものもいます。
こうした毒は、最初から強力だったわけではないでしょう。たまたま弱い毒を持つ生きものが現れた場合、それが子孫を残すのに有利であれば、長い時間をかけて毒は強くなっていきます。すると、毒を持つ生きものも、だんだんと自分の毒に負けない体になるのです。
ちなみに、動物にとって、毒をつくったり、溜めこんだりすることは、けっこう体に負担がかかるようです。そのため、体温が高く、動きが活発な動物には、毒を持つものがほとんどいません。無理して毒を持つよりも、スピードを生かして、逃げたり捕まえたりするほうが有利なのでしょうね。
今年は「中秋の名月」の日が、満月でしたね。あなたのおうちでも、お月見はしましたか。
9月にお月見をするようになったのには、いくつか理由があります。まずは、暑くも寒くもない、屋外で月を見やすい季節だからでしょうね。しかもこの時期は、秋分の日が近いため、月が一番高い時期と低い時期の中間にあり、見上げるのにちょうどいい高さだというのもあると思います。
また、秋というのは収穫の季節なので、お月様に収穫を感謝する意味もあるようです。そのため、その年にとれたお米で月見団子をつくり、お米に見立てた(同じイネ科の)ススキをかざるようになったのでしょう。
ちなみに、日本では江戸時代まで、月の満ち欠けを基準にしたカレンダーが使われていました。そのため、毎月1日は新月、15日は満月と、基本的には決まっており、十五夜といえば満月の夜を意味します。
空気には色がないのに、空が青いのは不思議ですね。これは、宇宙の色が薄まって見えているわけではありません。
太陽の光は白っぽく見えますが、その光を分解すると、虹の7色(赤、オレンジ、黄、緑、青、藍、紫)がふくまれています。絵の具はたくさんの色を混ぜると黒くなりますが、光を混ぜると白く見えるんです。
そして、光の色には、紫に近いものほど空気中に広がりやすく(散乱しやすく)、赤に近いほどまっすぐ進むという性質があります。じつは、空が青く見えるのは、太陽の光にふくまれる青い光が、空気の粒にぶつかって空に広がっているからなんです。
でも、紫に近い光ほど広がりやすいのであれば、空が紫に見えそうなものですよね。ところが、わたしたちの眼というのは、紫よりも青い光に反応しやすいんです。しかも、紫の光はすぐに散ってしまうので、地上まではなかなか届きません。ただし、外国行きの飛行機などで、高い空の上にいけば、藍色や紫色の光が残った空を見ることができます。
ちなみに、夕日が赤く見えるのは、青い光が散ってしまうため。太陽が傾いてくると、わたしたちの眼に届く光は、空気中を進む距離が長くなるので、青い光は散ってしまい、まっすぐ届く赤い光が目立つようになるのです。
飛んでいる虫がぶつかってきたことがあるのかな?小さな虫でも、けっこう痛いですよね。
でも、虫からすると、ぶつかってきたのはあなたのほうかもしれません。自転車は一生懸命こぐと、時速20kmくらいのスピードが出ます。これは、1秒間に5.6mも進むということです。そのため、飛んでいる虫はよけきれずに、ぶつかってしまうのでしょう。
ちなみに、自転車よりもスピードが出るオートバイでは、虫にぶつかる確率も、ぶつかった衝撃も格段に上がります。そのため、ゴーグルやフェイスシールドをつけて運転しないと、とても危険です。わたしも、夜にオートバイで走っているときに、コガネムシが顔にぶつかり、転びそうになったことがあります。
クリームソーダがあふれそうになったのかな。たしかにクリームソーダって、泡立ちやすいですよね。
これは、アイスクリームがソーダに溶けると、それまでソーダにふくまれていた炭酸(二酸化炭素)が溶けきれなくなって、空気中に逃げ出そうとするためです。こうした泡立ちやすさは、溶かすものの成分や形の影響を受けます。たとえばメントスは、アイスクリームよりももっと、ソーダを噴きこぼしやすいですよね。
ちなみに、アイスクリームのように液体に浮いているものは、溶けたとしても水面が上昇することはありません。それは、アイスクリームを入れた時点で、その重さのぶんだけ水面が押し上げられているからです。
だから、地球の温暖化によって、北極海に浮かぶ氷がすべて溶けたとしても、海水面は上がりません。でも、北極圏のグリーンランドや、南極大陸など、陸の上にある氷が溶けて海に流れこむと、そのぶんだけ海水面は上がってしまいます。
クワガタのオスは、大あごが長くてかっこいいですよね。でも、アリやカミキリムシの口を見るとわかりますが、もともとすべての昆虫には大あごがあるんです。
わたしたちのあごは上下に動きますが、昆虫の大あごは左右に動きます。そして、大あごのほかにも、小あごが2組あります。これらは昆虫の祖先の時代には足だったものが、口の一部へと変化したものです。
ただし、昆虫はさまざまなものを食べるように進化しているので、みんなが同じような口をしているわけではありません。たとえばチョウは、大あごが退化しています。そのかわりに、左右の小あごが合体して細長くなり、花の蜜を吸うストローになりました。
では、クワガタの大あごはなぜ長くのびたのでしょう。これは、オス同士の争いが激しいグループだからでしょうね。大あごが長いもののほうが、戦いに勝ちやすく、そうしたオスがたくさん子孫を残したので、クワガタの大あごはこれほど長くなったのでしょう。この大あごは口としては役に立ちませんが、小あごがあるので食事には困りません。
ちなみに、クワガタやカブトムシのように、オスのほうが大きい昆虫は少数派です。小型の昆虫にとって、メスは大きな体でたくさん卵を生み、オスは戦わずにメスを探して飛び回るほうが有利なのでしょうね。
最近、筋肉痛になったのかな。運動をがんばりすぎると、しばらく体が痛くなりますよね。
筋肉痛の原因は、細かい筋肉が切れているからです。ふだんはあまり使わない筋肉を使ったり、いつもより強い力を使ったりすると、筋肉は傷ついてしまいます。すると、傷ついた筋肉が腫れて(炎症を起こして)、痛みを感じるんです。
でも、筋肉痛は悪いことばかりではありません。傷ついた筋肉は修復されると、今度は切れないように、前よりも太くなります。そのため、筋トレを繰り返すと、だんだん筋肉が太くなり、ムキムキマッチョになるんです。
ちなみに、筋肉痛を感じているときは、筋肉を修復している最中なので、激しい運動はしないほうがいいでしょう。そして、筋肉痛がおさまったら、前と同じ運動をしてみると、筋肉がパワーアップしていることを感じられるはずです。
イヌの顔って、いろいろな形のものがいますよね。顔だけでなく、大きさや体型もさまざまで、まるで別の種類の生きものようなものもいます。
もともとイヌは、オオカミを飼いならしたものです。野生のオオカミは、かれらがすんでいる環境にあった姿に進化をしています。でも、人間に飼われているイヌは、自然環境に合わせて進化することはありません。
では、どうしてイヌには、いろいろな姿のものがいるのかというと、人間がそれを望んだからです。同じ母イヌから生まれた子どもでも、それぞれにちがいはあります。なかには、少しだけ鼻が短いものも、少しだけ鼻が長いものもいるでしょう。そんな同じ特徴を持つもの同士で子どもをつくると、その特徴が子どもにも現れることがあります。こうしたことを何世代にもわたって繰り返していくと、もとのイヌよりも鼻が長いものや、鼻が短いものを、生み出せるのです。
ちなみに、パグやシーズーのように鼻の短いイヌは、どちらかというと小型で、可愛らしいことから人気です。一方、ハスキーやコリーのように鼻の長いイヌは、本来のオオカミの体型に近く、狩りのおともなど仕事のパートナーとして人気があります。
お勉強をしなさいって、誰かにいわれたのかな。でも、いろいろなことを知るのは楽しくありませんか。
じつは、人間が勉強をするようになったのは、最近の話ではありません。何十万年も前から、人間はいろいろなことを学び、伝えてきました。
人間の中には、たまにとんでもない天才が現れます。たとえば、石を割って石器をつくるなんて、誰もが考えつくことではなかったでしょう。もし、その技術を誰も学ばなければ、そうした発明は、その天才の死によって失われていまいます。
でも、みんながそれを学び、子どもたちに伝えていけば、人間全体の利益になるのです。そして、次に現れた天才は、すでにある石器をもとに工夫して、槍をつくることだってできます。こうしたことを繰り返し、より複雑な道具がつくられるようになったのです。
昔の人間と今の人間を比べても、頭の良さは変わりません。でも、わたしたちは、いままで生きてきた人たちが発明したり、確かめたりしたことを学べるので、昔の天才たちよりも、たくさんのことを知ることができます。でも、人間がいままでの知識を学ばなくなれば、石器時代よりも前のくらしに逆戻りしてしまうでしょう。
ちなみに、現在の技術を使ってもつくることが難しい、過去の遺跡や美術品というものもあります。学ぶ人がいなくなった技術は失われてしまうので、再現することができなくなるのです。
イヌやゾウは、においに敏感だといわれますよね。でも、すべての動物が人間よりも鼻がいいわけではありません。
たとえば、多くの鳥は昼に活動しています。そのため、見る能力はとても優れていますが、においはほとんど感じていないようです。スカンクのおならはとてもくさいので、ジョージも大の苦手ですが、ワシやフクロウは気にせずに食べてしまいます。ただし、空からにおいで食べものを探すコンドルや、暗闇を歩き回ってミミズを探すキーウィは、においをかぐ能力にすぐれたレアな鳥です。
いろいろな動物の中でも、哺乳類は鼻がいいといわれます。これは、哺乳類の祖先が夜に活動する小動物だったためでしょう。夜は暗いので、目よりも、鼻や耳の感覚が役に立ったのです。でも、サルの仲間は、昼に活動するようになり、見る能力が高くなったことから、においの重要性がほかの哺乳類よりも低くなったのでしょう。そのため、だいたいの哺乳類は、人間よりも鼻がいいといえます。
ちなみに、昆虫たちは触角でにおいをかいでいます。とくに一部のガのオスは、触角が複雑な形をしており、遠く離れたところにいるメスを、においでたどることができます。でも、だから鼻がいいというわけではなく、メスのにおい以外にはまったく反応しないそうです。
図鑑をつくる仕事に興味があるのかな?たしかに、わたしが子どものころに比べると、いろいろな図鑑が出版されていますね。
図鑑に限りませんが、どんな本をつくるのか考えるのは編集者です。そして、図鑑の場合はとくに、取り上げる「題材」が重要になります。編集者は、自分が興味を持った題材に対して、どんなところが面白いのか、どうすればそれを読者に伝えることができるのかということを考えながら、図鑑のテーマを決めています。
また、編集者が面白いと思っても、取り上げる題材がマイナーだと、出版社の会議で、「これを好きな人って、10人くらいしかいないんじゃない?」とか、「まったく興味がわかないんだけど」と言われてしまうこともあります。でも、いまは図鑑の種類が増えてきたので、「この題材で売れたなら、こっちもいけるかな」という感じで、マイナーな題材の図鑑も出しやすくなっているのだと思います。
ちなみに、図鑑には著者とは別に、監修者がついていることが多いですよね。監修というのは、本の内容をチェックし、「この本に書いてあることは、間違っていませんよ」と保証する仕事です。そのほかにも、大勢の人がかかわって、図鑑はつくられています。
生きているタコを触ったことがあるのかな?長い足でからみつかれると、吸盤が皮膚に張りついてなかなか離れませんよね。
タコやイカは、頭足類というグループの生きものですが、広い意味では貝の仲間になります。でも、かれらは貝殻を捨てて、泳ぎ回るようになりました。その過程で進化したのが、吸盤です。
かれらの口は、たくさんの足に囲まれた中心にあり、とても小さいので、口を大きく開けて獲物を丸のみすることができません。そのため、長い足で獲物を捕まえて、少しずつかじります。でも、イカやタコは体の表面がヌルヌルしていてすべりやすいため、すべり止めの役目をする吸盤が進化したのでしょう。
ちなみに、同じ頭足類のオウムガイは、60~90本の短い足を持ちますが、吸盤はありません。かわりに、べとべとした粘液を出して、獲物をくっつけやすくしています。同じような生きものでも、進化のしかたっていろいろですね。
カメが好きなのかな?カメの甲羅は重くて歩くのが大変そうですよね。
でも、もともとカメは、水中生活をしていました。水中では体が浮くので、甲羅があっても重さをあまり感じないんです。
化石の記録によれば、カメの甲羅は、もともとはおなかだけにあったようです。なので、水中を泳いでいるときに、砂底にひそむ敵に噛みつかれるのを、かたい甲羅で防いでいたのでしょう。これが生き残るうえで有利だったことから、甲羅がだんだんと背中まで覆うようになったようです。
ちなみに、水中で暮らすカメの多くは肉食です。でも、陸に上がったカメは、甲羅が重くて動きが遅いので、動かない植物を食べるものばかりになりました。
イヌを飼っているのかな?たしかにイヌは4本の足の長さが同じくらいなのに、人間は後ろ足のほうが長いですね。
では、ほかに後ろ足のほうが長い動物を探してみると、カンガルーやティラノサウルスがいます。これらは人間もふくめて、おもに後ろ足を使って移動する動物です。
一方、イヌは4本足で移動しますよね。4本の足を地面につけて移動するなら、足の長さは同じくらいのほうが、楽な姿勢をとれるのでしょう。
ちなみに、同じ4本足で移動する動物でも、キリンやブラキオサウルスのように前足のほうが長い動物もいます。前足が長いと、頭の位置が高くなるので、遠くのほうまで見渡すには便利ですね。
ご近所に、ニワトリを飼っている家があるのかな?ニワトリって、毎朝暗いうちから鳴きますよね。これは、「ここは俺の場所だぞ」って、縄張りを宣言しているんです。
ニワトリの祖先は、東南アジアのジャングルにすんでいるセキショクヤケイです。ジャングルでは、強いオスがすみやすい場所を縄張りにして、たくさんのメスと一緒に暮らしています。そして、朝になって活動をはじめる前に、「ここは俺の場所だぞ!」って、ほかのオスにアピールするんです。
ニワトリにもこの習性が残っていて、ニワトリ小屋の中でほかのオスといっしょに暮らしていても、朝になると鳴きたくなってしまうようです。
ちなみに、ニワトリ小屋の中でも、オスのあいだでは強さの順位が決められています。夜明けに鳴くのも、強いオスが先。弱いオスは早く鳴きたいのに、強いオスが鳴いているのを聞きながら、自分の番がくるのを待たなければなりません。
甘くておいしいバナナは、ジョージも大好きですよね。でも、これはバナナに限ったことではなく、おさるは果物ならだいたい好きなんです。
果物というのは、もともと鳥に食べてもらうために進化したものです。果物を食べた鳥がフンをすると、消化されなかったタネが一緒に出てきますよね。すると、そこから芽が出て、動けない植物でも、遠くの土地まで分布を広げることができます。
果物(とタネ)が熟すと、おいしそうな色に変わるのも、鳥に見つけてもらうためです。鳥は色を見分ける能力がとても高いので、葉っぱに隠れていてもあざやかな色をした果実は見のがしません。
この、鳥のためのごちそうに、目をつけたのがサルの祖先です。そして、あざやかな色の果物を見つけるため、サルの多くは昼に活動するようになり、色を見分ける能力も進化したんです。だから、おさるがバナナを好きなのは、祖先から受け継がれてきたものだといえますね。ちなみに、ジャングルの夜は真っ暗なので、色を見分けることができません。そのため、アイアイやメガネザルなどの夜に活動するサルは、おもに昆虫を食べています。
夏の夜に、窓の明かりに昆虫が集まっていることがありますね。でも、明るいところが好きなら、昼に活動すればいいのに、どうして夜の明かりに集まるのでしょうか。
じつは、夜行性の昆虫は、自分の位置を確認するのに、月を利用しています。月はものすごく遠く(38万kmのかなた)にあるので、いくら自分が移動しても月の位置は変わりません。そのため、月がずっと右側に見えるように飛び続ければ、まっすぐに移動していることを確認できます。
でも、電気の明かりは、月と比べて近くにあるので、明かりがずっと右側に見えるように飛ぶと、その明かりのまわりをぐるぐるとまわることになり、最終的には明かりにたどりついてしまいます。そのため、電気の明かりは、昆虫を引き寄せてしまうようです。
ちなみに、最近は街灯や自動販売機の明かりに、LED電球が使われています。でも、ふつうのLED電球は、昆虫にとって明るく見える「紫外線」という光を出さないので、とくに虫が集まることはありません。
ペンギンを水族館で見たことがありますか? 陸の上ではよちよち歩きのペンギンですが、泳いでいる姿は、まるで水中を飛んでいるように見えます。
ペンギンが飛べないのは、体重が重いわりに、翼が小さいためです。でもこれは、そのほうが生きるのに有利だったから、そういう姿に進化をしたということ。ほとんどのペンギンは、南半球の冷たい海にすんでいますが、むしろ、ペンギンは飛べなくなったことで成功しています。
意外かもしれませんが、冷たい海のほうが、温かい海よりも食べものの量は多いんです。でも、飛ぶために体を軽くし、大きな翼を持っている鳥にとって、海の中のオキアミやイカを捕まえるのは大変。そこで、ペンギンは飛ぶことをやめて、かわりに泳ぐ能力を高めました。その結果、ペンギンは鳥の中でいちばんの泳ぎ上手になり、たとえばコウテイペンギンは水深500mまで潜れるそうです。
ちなみに、カイツブリやエトピリカのように、飛ぶ能力を持ったまま、水に潜れる鳥もいます。両方できるほうが便利そうですが、飛ぶ能力も、泳ぐ能力も、それぞれの専門家にはかなわないので、必ずしもすぐれているとはいえません。
動物園でいくら見ていても、キリンって鳴かないですよね。わたしも実際に聞いたことはありません。それどころか、飼育員の人でも、聞いたことがある人は少ないそうです。
動物園で撮影されたいくつかの動画を見ると、キリンは「モーッ」とウシのような低い声で鳴いています。でも、これらは、子どものキリンがひとりぼっちになったときに、お母さんを呼ぶために鳴いたもの。つまり、特別な状況だったようです。
そもそも、野生動物はあまり鳴きません。とくに草食動物は、むやみに鳴いていると、敵に見つかってしまいますよね。そのため、オス同士が争ったり、子どもが母親を呼んだりといった、特別なときにしか鳴かないものも多いんです。ウシだって、牧場では「モーッ」と鳴きますが、野生のウシの仲間はほとんど鳴きません。
ちなみに、群れで暮らすサルのなかまは、哺乳類の中ではよく鳴くほうです。だから、人間もおしゃべりになったんですね。
恐竜が好きなのかな?白亜紀の終わりにたくさんの恐竜が絶滅したのは、巨大な隕石が落ちてきたせいだと考えられていますね。
でも、隕石が落ちたのは、日本から見ると地球の反対側にあるメキシコのあたりです。隕石の直径はだいたい10kmでしたが、地球に落ちてきた瞬間に、その衝撃による熱で多くの生きものが即死しました。
とはいえ、隕石が落ちた衝撃で粉々になったのは、落下地点から半径1000kmくらいの範囲のようです。ほとんどの恐竜は、隕石が落ちたあとに起きた、地球の環境の変化によって、少しずつ絶滅しています。だから、ほかの時代に絶滅した生きものと同じように、白亜紀末の恐竜たちの骨も、化石になって残っているんですね。
ちなみに、隕石が落ちなくても、恐竜はちょくちょく絶滅していました。たとえば、アロサウルスやステゴサウルスは、白亜紀がはじまる前に絶滅していますから、隕石が落ちた時代にはすでに化石になって、地中深くに埋まっていたはずです。